....Ibasyo -Self-injury, proof of existence-..Ibasyo -自傷する少女たち, “存在の証明”-....

IMG_6136_03.jpg
ibasyo_002.jpg
ibasyo_006.jpg
ibasyo_016.jpg
ibasyo_017.jpg
IMG_6136_03.jpg
ibasyo_002.jpg
ibasyo_006.jpg
ibasyo_016.jpg
ibasyo_017.jpg

....Ibasyo -Self-injury, proof of existence-..Ibasyo -自傷する少女たち, “存在の証明”-....

25.00

....The Ibasyo project is a photographic project that documents the lives of six young Japanese girls who suffer from self-harm. In Japanese, ibasyo refers to the physical and emotional space where one can exist.

Domestic violence, rape, and bullying are some of the reasons behind self-harm. For better or for worse, the “culture of shame”, inherent in Japanese society, has prevented these stories from being told. Domestic violence seems to be prevalent in many families and rape is quite commonplace, yet self-harm victims choose to remain silent.

Deep emotional wounds have robbed these girls of their self-esteem. Faced with depression and panic attack disorders, they are unable to live a normal existence. They cannot appreciate their own value, and therefore, believe they are worthless. For these girls, harming themselves is a form of self-punishment for perceived notions of worthlessness, while also easing their anxiety and stress. And so, such destructive behavior has become the way for these girls to reaffirm their own existence. However, when they see their scars, the girls despise themselves more for what they have done. Like the Möbius strip, the cycle is endless.

The girls have found it difficult to feel their ibasyo. While the girls don’t justify their acts, the existence of self-harm reflects one of the darker side of Japan’s modern society.

At the end, Ibasyo project became a unique book traveling project in order to bring something back to the girls in the photographs.

I made six copies of hand made books, one for each of the girls. The second half of each book was made up of blank pages. Since 2014, the books have traveled all over the world. More than 300 people have participated in this project. They have written messages, made drawings, and pasted photographs to the girls. The result was more beautiful than what I could have ever imagined, filled with heartfelt messages from people of different nationalities and cultures.

What you see in this book, along with the photographs of the girls and their stories, are some of the excerpts from the many messages in the traveling books. I wanted the outpouring of care and support from the readers to serve as a possibility of hope to those who suffer from self-injury, as well as to their family and friends.

Kosuke Okahara

--------------------------------------------

Photos + Text: Kosuke Okahara
Publisher: Kousakusha
Date: March 30th, 2018
Printed country: Japan
# of pages: 380 pages (88 pages of photo + 270 pages of Japanese text + 2 pages of English text)
Size: 185 x 118 x 25 mm
Language: Japanese (+ short English explanation)
Price: 25 € (signed) + Shipping

..

夜12時を少し過ぎた頃、いつものように携帯電話が鳴った。

「また切っちゃった…。でも大丈夫だよ…」

大丈夫に聞こえないさゆりの声が電話口から聞こえてきた。

「あたしなぁ、レイプされたんよ…。それから自分の価値とか感じられないようになってなぁ…。自分のこと大切にしなさいって色んな人に何度も言われたけど、こんな汚い自分のこと大切にって言われても、どうしたらいいのか分からんのよ」

生気の抜けた声が泣き声に変わる。少したってまた

「ごめんね、大丈夫だよ…。明日も仕事がんばるよ…」

貧困、レイプ、いじめ、家庭内暴力。自傷行為の裏にあるもの。それらは今まで聞いたことはあっても、実際に近くに感じたことのないものだった。 日本に存在する「恥の文化」が良い意味でも悪い意味でも、それらが表に出ることを防いできた。東京から1時間のところに貧困は存在し、借金取りが毎日やってくる生活があった。レイプは僕が卒業した大学内でも起きていた。

深い心の傷は彼女らの自尊心を奪ってしまった。うつやパニック障害のためまともに働くことができない状態に、自らの価値を認識できず、自分は役に立たない存在と思いこんでしまう。その結果の自傷行為。「価値がない(と思い込んでいる)自分」を傷つけることで、自らの存在を肯定しようとする。しかし、その傷を見ては「してはいけないことをしてしまった」と自己嫌悪に陥る悪循環。そんな出口の見えない世界で、 彼女たちが自らの居場所を感じることは難しい。

彼女らは自らの行為を正当化しようとは思っていない。ただ彼女たちの存在は、日本が抱えている現代社会の陰の一端を示している。

「自分のことを大切にするってどういうことなのかな…。誰か教えてくれないかな…」 

そう言ってさゆりは電話を切った。

 

 

- 本書について -
ドキュメンタリー写真やフォトジャーナリズムと言われる分野の写真は、「人の不幸で飯を食っている」という批判がよくついてまわります。

写真で被写体に何かできるのか。いくら理想をもって活動していても、簡単なことではありません。情報を広めるということが第一の目的であり、誰かに手を差し伸べることは写真の目的とは言えないかもしれません。

この本は出版されるまでに長い時間がかかりました。ある時、撮影していた当時に彼女たちが言ってくれた言葉を思い出しました。「撮られた写真を見ることで、自分自身を見つめなおしたい」

撮影を始めた当初は、いつものように写真を広めることを頭の中に思い描いていましたが、彼女たちの言葉は、このプロジェクトにもう一つの目的を与えてくれました。

「被写体となってくれた人たちに直接何かできるプロジェクトになる可能性があるのではないか。」

撮影を進めていくと、彼女たちが子どもの時、または大人になってから遭ったトラウマが、彼女たちの自尊心を大きく傷つけたことを知るようになりました。誰しも自分のことはかわいいものですが、彼女たちは自分自身を受け入れられずに苦しんでいました。

傷ついた自尊心を取り戻すのは簡単なことではありません。でも、もし誰か他の人が、「彼女たちの存在を認識している」と、「彼女たちが知る」ことができたら。彼女たちが自尊心を回復させる過程で何か意味のあるものを作れないだろうか。そんな気持ちから、撮影した6人の女の子たちのためだけの本を作ることにしました。

撮影させてもらった女の子たちの中には、すでに自傷行為から抜け出し、元気に生活している人もいますが、抜け出すにはもう少し時間のかかりそうな人もいます。もしかしたら、少し上から目線に聞こえるかもしれませんが、彼女たちに

「あなたは大切な存在ですよ」

と感じてもらうことができたら、と考えました。

彼女たちの人数分、6 冊の手製本を作りました。最終的に彼女たちに渡すためです。本の半分は白紙にし、本を借りたいという人たちに無償で貸し出しました。借りた人には、彼女たちに何かメッセージを残してほしいとお願いしました。文字を書いてくれた人もいれば、絵を描いてくれた人、写真を貼り付けてくれた人、刺繍をしてくれた人など、文字通り世界中の人たちがそれぞれの方法で彼女たちに、メッセージを残してくれました。3 年半の間に、北米、南米、アジア、ヨーロッパ、オーストラリア、アフリカと、南極以外のすべての大陸を本たちは巡り、300人以上がこのプジェクトに参加してくれました。

この本の最後に掲載されているものは、貸本プロジェクトに参加してくれた人達が寄せてくれたメッセージです。いわゆる普通のドキュメンタリー・ルポルタージュだけではなく、被写体となってくれた彼女たちが存在している社会にある「いたわり」のようなものが表現できればと思い、参加してくれた人達の許可を上で、それらのメッセージを掲載してあります。

写真から派生したこのプロジェクトは、人の良心という「偶然」によって、とても温かな本になりました。

--------------------------------------------

写真・文章: 岡原功祐
発行元: 工作舎
発行日: 2018年3月30日
印刷: 日本
頁数: 380 ページ(写真88ページ + 文章270ページ)
サイズ: 185 x 118 x 25 mm
言語: 日本語
価格: 25 ユーロ + 送料 (サイン済)

※当サイトのシステムの都合上ユーロ計算になっているため、日本ではお近くの書店またはアマゾンなどのオンライン書店でご購入された方がお安くなっています。サイン本をご希望の方は、こちらでお買い求め下さい。....

Quantity:
....Add to Cart..カートに入れる....